山本町史より

 金鶏伝説
 大野知行寺山に金の鶏が棲んでいる。もと雌雄2羽であったが、雌鶏は伊予へ飛んでいってしまった。(それが妻鳥「現在の愛媛県川之江市妻鳥町」だという)雄鶏はさみしくてならず、白南天の木の根元に穴を掘って地下深くかくれ、人目にかからなくなった。せめて一度だけでも雌鶏に逢いたいものと、正月元旦の朝早く地上に出て、伊予の方に向かって、ときをつくって呼んでみたが、雌鶏は出て来なかった。その後、毎年の元旦に決まったように鶏鳴暁を報ずることになったそうである。その金の鶏に声を聞く人は千万長者になるとのことである。

 馬蹄伝説
 財田西天神山の麓に大きな花崗岩がある。表面は平らで、その中程に馬蹄の形をした窪みがある。これは昔、讃岐の国司でうった天神様が国内巡視の時、地上をあるかないで乗馬のまま天がけり財田西の上空にきた時に降り立った蹄の跡だとていって、その地を天神山と名づけて天満宮を創設したそうである。
 現にその石を岩神さんと称し、天神山の東北の麓に祀つてある。

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