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経営実績とそれを支える経営管理技術、
特色ある取り組み内容とその成果等 |
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左記の活動に取り組んだ動機、背景、経過や
その取り組みを支えた外部からの支援等 |
1.経営に合った素牛の導入 |
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自己の目標とする肥育牛生産と経営を実践するため、素牛は資質系(但馬系)と増体系(気高系)の交配牛を導入している。 |
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経営安定のためには、肉質だけでなく、増体も非常に重要であると考え、導入に当っては、農協担当者と過去に出荷した牛の枝肉成績、種雄牛の検定成績と事前に送付されてくる市場セリ名簿を参考に、事前検討を十分に行っている。 |
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素牛導入は市場に赴き、自分で買い付けを行っている。 |
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素牛の良し悪しは肥育経営の重要なポイントである。そのため市場に赴き、自分の目で見て確かめることが必要と考え、自分の経営条件にあった素牛、また自分の飼養条件に合った資質を持った素牛を事前に検討し、これを基に農協担当者と相談し、買い付けている。 |
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導入素牛の産地は経営効率を考え、平成4年頃から九州の一地域にほぼ統一している。 |
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当初は九州のいくつかの地域から導入していたが、導入を繰り返すうちにある地域の素牛の収益が高いことと自分の飼養管理に合っていることがわかり、また、この地域では血統による種雄牛の掛け合せがしっかりしていること、導入頭数を十分に確保できること等からこの地域からの導入を行っている。 |
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3.飼養管理技術の改善 |
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去勢牛群の中に雌牛を2割程度入れることで、牛群の行動に落ち着きができ、アタリも減り、雌牛の仕上がりが早くなるなど、良い効果がでている。 |
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以前は去勢牛と雌牛をそれぞれ群分けして飼育していたが、雌牛の方でアタリが多く、対処法を考えていた。偶然に去勢牛の中に雌牛が紛れ込んだが、そのまま様子を見ていたところ、牛群の行動が落ち着き、屠殺時にアタリも発生しなかったため、以後この飼育方法を取り入れた。また、雌牛は素牛価格が安く、増体を良くすれば、収益性が去勢牛より高くなると考えた。 |
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仕上げ期の管理として、出荷前5〜6ヶ月間は2頭ずつの群飼を行っている。(導入時から2頭飼育までは10頭の群飼である。) |
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肥育後期での喰い止まりやストレス等に対する個体管理を強化し、出荷牛のバラつきを減らすと共に牛舎の回転率を上げている。 |
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日常の観察管理に重点を置いており、夜10時にも見回りを行っている。 |
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瀬戸内地方は、日没から21時過ぎまで「瀬戸の夕凪」として、風が弱くなる。このため送風機を調節して送風し、少しでも快適な環境を作り出している。
特に、導入後数ヶ月間と他の牛房への移動時における事故防止のため、朝夕の飼料給与時、野菜作業の合間はもとより、毎日夜の10時に必ず牛舎を見回り、牛の健康状態や餌の摂取具合を確認している。 |
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4.省力化・低コスト化の取り組み |
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飼養管理面では、購入粗飼料を倉庫ではなく、牛舎の飼槽前に納入させ、省力化している。 |
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作業の効率化や省力化を考えた結果、購入粗飼料の倉庫から牛舎までの運搬は、重く、労力もかかるし、二度手間と考え、販売業者に指示して納入時に飼槽前に数個ずつ固めて置くようにしている。 |
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地域独自の増体用の配合飼料として、他の配合飼料に比べビタミン含量の多い「肥育前期用」、タンパク含量の多い「肥育後期用」を開発し、配合飼料の統一化やコスト低減等を図っている。 |
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地域のリーダーとして、枝肉成績のレベルアップによる収益の増加や、成績不良の農家をなくすため、平成7年から全農の協力を得て地域独自の配合飼料の開発に取り組んだ。 |
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飼料コストの低減と増体を良くするため、未利用資源である枝豆殻を短期間(6月下旬〜8月下旬)ではあるが、給与している。 |
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地域の耕種農家における残渣処理の軽減と未利用資源の有効活用による育成期の粗繊維給与による腹づくり、飼料コストの低減を図るため、導入直後の10ヶ月齢から14ヶ月齢の牛に給与している。 |
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5.出荷 |
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肉質はA4クラスで色、きめ、しまりに重点を置き、出荷目標を和牛去勢牛は肥育日数600日で体重750kg、雌牛では肥育日数620日で体重700kgにしている。
平成15年における去勢牛の出荷時平均体重は740kg、雌牛では669kgでの出荷である。 |
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出荷目標を達成するために、出荷前の2頭飼いでは飼料給与時の飼槽への首の出し方と餌喰いなどの行動を観察し、牛の強弱がある場合には牛群の組み換えを行っている。特に、餌の摂取状況は良く観察し、残飼がある場合には、餌をかき混ぜたり餌の入替え等を行い、餌喰いが止まらないように気をつけている。 |
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6.飼養技術の研鑚 |
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大分県(第6回)、岩手県(第7回)、岐阜県(第8回)と3回連続で全国和牛能力共進会に出場している。 |
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島根県で開催された第5回の全国和牛能力共進会を見に行った時、スケールの大きさに驚き、一度は自分の実力がどの程度通用するかチャレンジしようと思ったのがきっかけである。また、次世代の種雄牛が見られ、今後の素牛導入の参考にしている。 |
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講師を招いて飼養管理技術研修会を毎年開催している。 |
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肥育農家のリーダーとして部会員の飼養管理技術の向上と、開発した配合飼料のフォローアップのため、各農家の肥育成績の検討と牛舎の巡回を行い、講師によるアドバイス等を受けている。 |
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7.地域との連携・協同の取り組み |
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自ら野菜と肉用牛の複合経営を展開するとともに、野菜産地のリーダーとして野菜の施設化や新規作物の導入に取り組んでいる。 |
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野菜づくりの基本は土づくりであることから、肥育牛を飼い、堆肥を作り始めた。地域における野菜産地の発展のために堆肥を供給し土づくりに努めると同時に、自ら施設園芸組合の代表に就任してリーダーシップを発揮し、施設園芸に取り組んでいる。 |
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地域に根ざした資源循環型の家畜排せつ物処理・利用 |
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土づくりのため、地域の施設園芸の規模拡大にあわせ、肉用牛の増頭を行い、地域への堆肥供給を担ってきた。昭和53年に共同堆肥舎、平成9年に堆肥散布車を整備して、野菜農家との共存共栄を守っている。 |
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