交配(種付適期)
  凍結保存していた精子の生存時間(20時間)、精子が受精部位である卵管上部に到達する時間(数分〜数十分)、卵子の生存時間(12〜20時間)、卵子が受精部位に到達する時間(排卵後数時間)と排卵が発情牛の性行動終了後(単房飼育で19〜20時間後、群飼で15〜18時間後)に行われることなどから
 

人工授精は発情中期〜末期(排卵5〜12時間前)に実施
 

妊娠末期と分娩後の授乳期の栄養管理増飼の必要性
  分娩前2ヵ月間に胎子体重の半分の増加があり、低栄養では胎子発育に不足する養分量が母体から持ち出される。分娩後に授乳飼料を給与して泌乳性を高めるとともに、子宮と卵巣機能(卵胞発育、初回排卵)の回復を早める。
 
維持費に加える養分量

乾物(kg)

TDN(kg)

CP(DCP)(kg)

Ca(g)

P(g)
妊娠末期2ヵ月間

1.5

0.91

0.12(0.09)

14

5
授乳中(授乳量1kgあたり)

0.5

0.36

0.08(0.06)

2.5

1.1
  ●分娩時に過肥状態は禁物!
  ●和牛の必乳能力、1日あたり4〜5kg

哺育(離乳後の育成に備えた腹づくりをする期間)
  固形飼料の採食開始がルーメン(反芻胃)の発達開始なので、生後5〜7日目頃に、食べ残しがない程度に餌付、3ヵ月令にもなるとルーメン機能はほぼ成牛なみに達し採食量が急激に増加するので、過剰摂取に注意。(制限給餌)
早めの離乳(4〜5ヵ月令)
和牛の泌乳能力はバラツキが大きい(離乳時体重に影響する)ので、自然哺乳と子牛の別飼・クリープフィーディングによる哺育、子牛の正常発育に必要な養分量を母乳だけで満たせるのは4週令まで、日増体重0.8kgを期待すると3週令ころからTDNが不足(日増体重低下)
内臓の発達 6ヵ月令(160〜190kg)から12ヵ月令(270〜320kg)
骨格の形成 12ヵ月令(270〜320kg)から24ヵ月令(360〜430kg)

育成
  長期的に連産可能な体躯をつくるために、ルーメンの発達を考えた栄養管理と運動量を確保、過剰な高栄養飼育は乳腺の発達を阻害
【前期】 離乳から初回受精・初回受胎まで日増体重は0.7〜0.8kgが上限過肥にすると繁殖障害(不妊症)になりやすいので、体重と体高のバランスに気をつけて14〜15ヵ月令 体重300kg 体高115cmでの繁殖供用開始を目安に育成(体重が250〜300kgになると脂肪が蓄積しやすい体質になる)
【後期】 初回受胎から初回分娩まで日増体重は0.4〜0.5kg程度2〜3産目までは成長途中にあり、さらに子宮内に胎子を宿しているという生理的な特徴があるので妊娠した雌牛自体の発育に必要な養分量胎子の発育に必要な養分量を考えた栄養管理を。
【自家配合と給与例】

トウモロコシ(大麦)

20%

大豆粕

20%

フスマ

30%

米ヌカ

30%

TDN74〜
CP 20〜
DCP16.5〜
 
 

(単位;kg)

月令(標準体重)

乾草(良質スーダン)

濃厚飼料(自家配合)

3ヵ月令(96)

3

1

6ヵ月令(165)

4

1.5

12ヵ月令(292)

6

2

※体重比で乾草2%以上、濃厚飼料1%以内


香川県東部家畜保健衛生所

TEL087-898-1121