観音寺市誌より

 牛のいお
 牛を飼う家では、五月頃、鯖を菖蒲でくくり、牛の角にしばらくかけ、後で牛飼い男が食べる風習もある。田植えの始まる前祝いともいわれ、田植えが終われば「さんばいあげ」のご馳走をする。

 遠の湖
 六月二十九日、遠の湖といって、牛馬を海につれていき海水欲をさせる日である。高屋町では海水欲に行く前に小麦団子を食べる。これがないときは小麦稈をかんで出かけると海の「えんこ」に引きこまれないという。遠の潮の行事は七月朔日にする地方もある。

 八 朔
 男子のある家では、子供の前途を祝って武者人形を内庭に飾る。大抵は小松等を配して山谷を作り、その間に人形を配置する。団子馬をつくり、これも一緒に飾る。これで八月朔日を馬節句という。またこの日を「馬あらし」といって飾った人形を片付け団子馬は崩して人形を贈って来た人に配る。長男の八朔は「初つ駒」といって人形を贈って来た人を招いて祝宴をひらいたが、次第にすたれてきた。

戻る >>>